よりよい情報社会へ
授業の後に 15 分。要点を読み、5 問で確かめ、一つ書く。最後に自分の探究へつなぐ
15分 | ひとりで、端末で授業で確かめた答えと比べる
- サイバー犯罪には、不正アクセス、システムへの侵入と書き換え、ネット上の詐欺、誹謗中傷などがある。新しい技術が出るたびに新しい手口が生まれる
- 対策は専門家・組織(技術的な対策、情報セキュリティポリシー、法律)と個人(推測されにくいパスワード、更新プログラム、サポート終了のソフトを使わない、リンクを開く前に止まる)の両方が要る。技術だけでは守れない。新しい問題には、覚えた対策より問題解決の考え方が効く
- デジタルデバイドは、使える人と使えない人の間で情報の質と量、発言の機会に差が生じ、社会的・経済的な格差が広がること。機械の工夫(ユニバーサルデザイン)と、人の支援、代わりの手段を残すことで小さくする。「自分たちが使える」から「誰もが使える」へ
- 同じ数字でも、見せ方で印象が変わる。授業の 2 つのグラフは同じ 91% → 93% で、片方は縦軸が 88 から始まっていた。作る側には意図がある(意図していなくても偏る)。受け取る側は、縦軸の始まり・比べている相手・出典・誰が何のために出したかを確かめる
- 便利さと監視のようなジレンマには正解がない。正解を覚えるのではなく、根拠をつけて立場を述べ、他の立場の根拠を聞く。よりよい情報社会は、受け取る側の判断が作る
授業の 2 つのグラフの種明かしを、まだ授業を受けていない人に説明するつもりで書く。同じ数字と縦軸という言葉を使い、最後に「グラフを見るとき自分が確かめること」を 1 つ添える。
答えの例を見る
例: A も B も同じ数字(前年 91%、今年 93%)で作ったグラフだった。A は縦軸を 88 から 94 に絞っていたので、わずかな差が大きく見え、B は 0 から 100 だったのでほぼ同じに見えた。数字は同じでも見せ方で印象が変わる。だから自分は、縦軸の始まりと、誰が何のために出したグラフかを確かめてから判断する。
探究では、自分がグラフを作る側になる。縦軸をどこから始めるかで、同じデータが「大きく変わった」にも「変わらない」にも見える。この回の考え方は、他人のグラフを見抜く道具であると同時に、自分のグラフが読み手をだましていないかを確かめる道具になる。アンケートの選択肢の作り方にも偏りは入り込む。正解のないテーマを扱うなら、結論を一つに決めるより、根拠をつけて立場を述べ、反対の立場の根拠も書くほうが強い。
- 自分の探究で作るグラフは、縦軸の始まり・比べる相手・出典を書いているか。相手の印象を操作していないか
- 自分の探究テーマに、便利さと監視のような「どちらにも理由がある」問題は含まれるか。反対の立場の根拠を 1 つ書けるか
ここに書いたメモは 探究ノート に集まる。総合的な探究の時間のテーマ決めや、調べ方を考えるときに開く。まだテーマが決まっていなくても書ける。いま気になっていることを一つ思い浮かべて、そこに当てはめてみる
次回は「問題の発見と調査」。ここまでの 8 回が道具箱になる。次の 2 回は、自分たちで身のまわりの情報社会の問題を一つ見つけ、理想と現実で定義し、根拠を取る計画を立てる。今日の「根拠を確かめる」を、今度は自分が根拠を集める側で使う。
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