分かったことを、人が一度触れる形にする。作り込まずに実際に一度使ってもらい、反応を記録し、続く形にする手当てまで決める
10〜50分準備(授業前) 教室コードは第1回から同じもの。第10回のカード(分析の結果・言えないこと)と、第11回で受けた指摘を各自に開かせておく。道具はページの中の覆いで開くので、別のページへは移らない。紙と付箋を教室に置いておく(三つ目の道を選ぶ生徒が使う)。誰に一度使ってもらうかを前回のうちに決めさせておくと、体験03 が早い。決まっていない生徒は、隣の席の人に使ってもらう形で進める。
投影 「教師」を押す。体験01 は三つの道の人数が棒で出る。体験02 は「入れるもの | 返るもの」が並ぶ。体験03 は「使ってもらった相手 | 返ってきたこと」が並ぶ。うまくいかなかった記録を必ず取り上げる。体験04 は探究カードの第2回からの版と今日の版が並ぶ。
時間配分(50分版) 枚は全部使う。前回のまとめ・目標 5分 / 節1 三つの道から選ぶ 5分 / 節2 道具で作る 14分 / 入れるもの と 返るもの 6分 / 使ってもらって記録する 10分 / 三つの水準とカード 6分 / 自己評価・ふりかえり 4分
20分版 作る時間は取らず、前の回までに手元にあるもの(表・図・画面)をそのまま使ってもらう。使う枚は 1・2・9・10・11・13(表紙/前回のまとめ/体験02/まとめ02/体験03/体験04)。使ってもらう 8 分は削らない。ここがこの回の中心になる。
10分版 決めることは 1 つだけ。誰に一度使ってもらうかを決め、その場で声をかける。使う枚は 1・10・13(表紙/まとめ02/体験04)。使ってもらうのは授業の外で行い、聞くこと三つだけを持たせる。カードは今日必ず 1 欄進める。
作り込ませない この回でいちばん多い失敗は、見た目を整えることに時間を使い、誰にも使ってもらわずに終わること。相手が一度使うところまでで止めると先に言い、机間指導でもそれだけを言う。見た目を整えるのは第13回。
この回の評価(単元設計の第12回の行。重点は技能・思考。評価場面は「一度使ってもらった記録と、続く形にする手当て」)
三つの水準と、B・A の線 ① 試してもらう(相手が一度使い、反応を記録した) / ② 続けて使える(手順・置き場所・直し方が決まり、自分がいなくても回る) / ③ 仕組みとして残る(担当・更新・やめ方が決まっている)。B は①、A は②以上。③まで行くのは一部でよいが、やめ方は全員に書かせる。始めたものを誰も止められない形で置いていくのは、引き継ぐ人に対して無責任になるからだ。
指導要領 解説 総合的な探究の時間編 第3章 第1の目標 (3)「新たな価値を創造し」、第5章 内容の取扱い(情報手段の活用)。質の高い探究の二つ目、探究の自律化の三つ目「得られた知見を生かして社会に参画しようとする」が、この回の後半にあたる。[指針]B6L3・J3L1・F4L3。評価規準は 単元設計のページ。引き渡しメモの型と、使ってもらうときに聞くことは 情報学探究マニュアル の第11節「使ってもらう(社会実装)」にある。詰まった生徒にはそこを開かせる。
前にやった回 ここで思い出させる。もう一度教えない
前回、4 つの印を受けて、戻るか進むかを決めた。指摘をもらっても、数の表のままでは誰も受け取らない。触れる形にすると、受け取られる。今日は、そこで止めない
今日の行き先は実際に使ってもらうまで。作るのは、そのための手段
前回の投影(受けた指摘と、戻るか進むか)を出し、戻ると決めた生徒の書き直した問いを 2 人分読み上げてから始める。数が出ていない生徒にも、聞き取った言葉や観察したことで三つ目の道が取れると先に言う。今日は誰かに一度使ってもらうことを、冒頭で宣言しておく。
触れる所まででよい
聞くことは三つ
やめ方まで決める
どれでもよい。選ばないままだと、どれも進まない

三つの道に、上下はない。自分の問いと、使ってもらう相手で決まる
今日つくる形を 1 つ選ぶ。迷ったら、いちばん早く相手に使ってもらえる方を選ぶ
人数が右に出る。少ない道を選んだ生徒を 1 人取り上げ、なぜその道かを言わせる
進め方(5分) 2 分で選ばせ、3 分で分布を見ながら三つの道の違いを説明する。全員が同じ道を選ばなくてよいと繰り返す。
道と、向く問い 入れると結果が返る形 = 「条件を変えると、どうなるか」を相手に試してほしいとき / 置いて記録する形 = 「実際にどれくらいか」をこれからも測り続けたいとき、「条件を満たしたら知らせたい」とき / 図と文で見せる形 = 分かったことが言葉と数で、相手にまず知ってほしいとき。聞き取りや観察が中心の生徒は三つ目が自然。
迷っている生徒には、「誰に最初に使ってもらうか」を先に決めさせる。相手が決まると道も決まる。第13回でこの相手をもう一度決め直すので、今日は仮でよい。
目標 01 はこの枚で見る。
| 入れると結果が返る形 | 相手が数や条件を入れると、何かが返る。返るものは 1 つでよい。見た目は整えない |
| 置いて記録する形 | 条件を満たしたら知らせる、または記録する。画面の中で動くところまででよい |
| 図と文で見せる形 | 図 1 枚と、言えること・言えないことの二文。相手が 30 秒で読めるところまで |
※ 入れると結果が返る形は、情報Ⅰ (3) 第11回「目的・手順・プログラムの順で作った」と、情報Ⅱ (4) 第11回「入口と出口は約束、中身は自由」の続き
※ 置いて記録する形は、中学校 第8回「はかって、くらべて、動かす」と 第9回「繰り返しの中で、条件を組み立てる」の続き
どの道でも、作るのを止める所は同じ。相手が一度使える。そこから先は、使ってもらった反応で直す。先に作り込むと、直せなくなる
2 分。「見た目を整えるのは第13回」と言い切る。第13回は相手に合わせて出し方を決める回なので、そこで整える方が無駄がない。今日は使ってもらう 10 分を必ず残すことを、ここでもう一度言う。
動かないところが見つかるのも、今日の成果

相手が一度触れる形を作り、何を入れると何が返るかを一文で出す
進め方 作れた人から出す。うまくいかない形も価値がある。詰まっている生徒には、手順の何番で止まっているかを聞く。
15分。4 つの道のどれでもよいと先に言う(入力すると結果が返る/置いて記録する/見分けさせる/図と文で見せる)。作り込ませない。今日は『相手が一度触れる』ところまで。写真や音を使う班には、人が写ったものを使わない、使うなら本人に断る、を先に確かめる。
道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。
作ったものを一文で説明する。上に相手が入れるもの(図と文で見せる形を選んだ人は「相手が最初に見るもの」)、下に返るもの(そこから相手が受け取るもの)を書いて送る
全員の入力と出力が右に並ぶ。返るものが決まっていないもの、返るものが分析の結果とつながっていないものを取り上げる
進め方(6分) 3 分で書いて送る。残り 3 分で投影を開き、3 件を全員で直す。直す所は二つ。返るものが決まっていないのと、返るものが第10回の分析の結果とつながっていないのと。
よくある直し 「アンケートの結果が見られる」→ 何を入れると、何が返るのか / 「グラフが出る」→ そのグラフから相手は何を受け取るのか / 分析の結果と関係のない機能を作っている → 第10回のカードに戻らせ、出た数とつながる返り方に変えさせる。
まだ動かない生徒は、紙に「入れる所」と「返る所」だけを書かせて出させる。紙でも人に使ってもらえる。動かないことを隠さず書いた生徒を取り上げる。
目標 01 の仕上げをこの枚で見る。投影画面を当日中に保存する。
| 最初にどこを見たか | 相手の目がどこへ行ったか。作った側が見てほしい所と、たいていずれている |
| 迷った所はどこか | 手が止まった所。ここがいちばん直す値打ちがある |
| また使いたいか | 使うとしたら、いつ・どんなときか。ここが空なら、続く形にはならない |
「よかったです」は情報にならない。聞くのは、どこで迷ったか
進め方(3分) 上の二つを読み上げてから、三つの質問を声に出して言わせる。言えるようにしてから渡しに行かせる。紙に書き写させてもよい。
「よかったです」しか返ってこない理由は、たいてい聞き方にある。感想を聞くと感想が返る。「最初にどこを見ましたか」「どこで手が止まりましたか」と動作を聞くと、直せることが返る。ここを一度実演して見せる。
横で説明しない 使ってもらう間、作った本人はしゃべらない。これを守らせると、説明なしで分かるかどうかがその場で分かる。言ってよいのは、渡すときの一文だけ。
三つの質問は 情報学探究マニュアル 第11節と同じもの。
実際に一人に使ってもらう。渡すときの説明は一文だけ。使っている間、自分はしゃべらない。終わったら三つを聞いて、下の欄に書いて送る。上の欄の相手は役割で書く(名前は書かない)
全員の相手と反応が右に並ぶ。迷った所が書かれていないものと、うまくいかなかった記録を取り上げる。後者を必ず肯定的に扱う
進め方(10分) 6 分で実際に使ってもらう。教室の中で交換してよい(前後左右で 2 人ずつ)。校外や他学年の相手に頼んだ生徒は、放課後に行って次回までに書かせる。残り 4 分で書いて送り、投影から 3 件を取り上げる。
ここを削らない 作る時間が足りないと言われても、使ってもらう時間は残す。この回の評価場面はここ。相手が一度使い、反応が記録されていれば、社会参画の B になる。
「よかったです」しか書けていない生徒には、その場でもう一度聞きに行かせる。聞くのは一つでよい。「どこで手が止まりましたか」。
うまく使ってもらえなかった生徒を必ず一人取り上げる。相手が開けなかった、意味が分からなかった、そもそも使う場面が無かった。それが分かったことが今日の成果だと言う。隠して進むと、第14回の発表で同じことが起きる。
目標 02 はこの枚で見る。投影画面を当日中に保存する。
| ① 試してもらう | 相手が一度使った。反応を記録した | 残すもの: 使った人の言葉、うまくいかなかった所 |
| ② 続けて使える | 手順・置き場所・直し方が決まっている。自分がいなくても回る | 残すもの: 手順書、置き場所、連絡先 |
| ③ 仕組みとして残る | 担当・更新・やめ方が決まっている | 残すもの: 引き渡しメモ |
引き渡しメモの型 | 何を / 誰が / いつ / どうする / 困ったら / やめるとき。たとえば「使う人が月 10 人を下回った月に、委員会で決めて止める。ページは残さず消す」
やめ方を決める。誰も止められない形で置いていくのは、引き継ぐ人に対して無責任になる
進め方(3分) 三つを読み上げ、各自に「自分は今どこか」を指で示させる。今日の時点では①でよい。②へ行くには何が足りないかを、次のカードに書かせる。
B は①、A は②以上。自律化の社会参画の規準そのもの。③まで行くのは一部でよいが、やめ方は全員に書かせる。掲示も、置いた機械も、作ったページも、止める人が決まっていないまま卒業すると、残された側が困る。
引き渡しメモの型は 情報学探究マニュアル 第11節にそのまま載っている。②以上を目指す生徒には、そこを開かせて写させる。
カードは4 欄で回る。前回の「受けた指摘」の欄は 探究ノート に残っている。今日は使ってもらった相手と反応と続く形にする手当てを足して出す。手当てには、手順・置き場所・直す人と、やめ方を入れる
出したあと、右のカードを 3 枚以上読み、それぞれに 1 つ押す。自分のカードには押せない
第2回からの版が並ぶ。「続く形の手当てがある」が少ないカードを 1 枚取り上げ、手順とやめ方を全員で考える
進め方(3分) 短い。4 欄を書いて出すところまで。押し合う時間は取れないので、次回の冒頭に回してよい。「やめ方」の欄が空のカードは、その場で書かせる。
続く形にする手当てが書けない生徒には、「自分が卒業したあと、これは誰が触るのか」と聞く。触る人がいないなら、それは①で止まる形。①で止まることは悪くないが、止まると分かって書いてあることが大事だと伝える。
目標 03 はこの枚で見る。自律化の社会参画の材料になる。投影画面を当日中に保存する。
※ 次回は「相手に合わせたまとめ方」。相手を一人決めてから出し方を決める。外に出す前に、個人が分かるものが残っていないかも確かめる
次回は、今日使ってもらった相手をそのまま「渡す相手」にできる生徒が多い。02 の記録が、次回の「その人が最初に知りたいこと」に直結する。校外の相手に使ってもらう生徒には、次回までに済ませて記録を持ってこさせる。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
目標 02 に「まだ」が多い場合、次回の冒頭 8 分を教室内で使ってもらう時間に当てる。紙でもよい。使ってもらっていない生徒がいるまま第14回に進むと、社会参画が B に届かない。
一文でよい。「〇〇は分かると思っていたが、△△で止まっていた」の形。まだ使ってもらえていない人は、どこで止まったかを書く。人の名前は書かない
4 分。ここに出たことが、そのまま次回の「相手に合わせる」の材料になる。相手が迷った所は、たいてい言葉の選び方で直る。投影を保存し、次回の冒頭で 3 件読み上げる。