集めただけでは何も言えない。確かめたいことを先に一文にしてから道具にかけ、出た数から言えることと言えないことを分ける
10〜50分準備(授業前) 教室コードは第1回から同じもの。前回集めたものを、1 行 1 件・列に名前が付いた表にしてから来させる。表になっていない生徒(聞き取り・観察)のために、節1 の前半に数えられる形へ直す時間を取る。道具はページの中の覆いで開くので、別のページへは移らない。前回「0 件」だった生徒には、教室コードで集める部品を使って冒頭 10 分で 30 件を集めさせる手もある。
投影 「教師」を押す。体験01 は「確かめたいこと | 見る数」が右の壁に並ぶ。確かめたいことが二つ以上入っているカードを 3 件取り上げ、一つに切らせる。体験02 は探究カードの第2回からの版が並び、今日の版と見比べられる。
時間配分(50分版) 枚は全部使う。前回のまとめ・目標 6分 / 節1 確かめたいことを一文にする 10分 / 節2 道具で分析する 15分 / カードに書き足す 13分 / 自己評価・ふりかえり 6分
20分版 体験は 1 つ(体験02 カード v6)。使う枚は 1・2・5・8・9・13(表紙/前回のまとめ/体験01/道具の枚/体験02/ふりかえり)。道具を触る時間は 8 分に縮め、分析は 1 つだけ出させる。
10分版 決めることは 1 つだけ。出た数を 1 つ書き、言えないことを一文。使う枚は 1・9・10(表紙/体験02/まとめ02)。カードは今日必ず 1 欄進める。道具は授業の外で触らせる。
操作は教えない この回は、道具の使い方を教える回にしない。押す順番を教えるより、「何を確かめたいか」を一文にさせることに時間をかける。詰まっている生徒には、手順の何番で止まっているかだけを聞く。
この回の評価(単元設計の第10回の行。重点は思考・判断・表現。評価場面は「分析の結果と、言えないことの線引き」)
高度化・自律化のどこを見るか 高度化の効果性(情報の授業で学んだ道具を使えているか。道具を選んだ理由と限界まで言えれば A)と整合性(問いと分析の仕方が合っているか)。
指導要領 解説 総合的な探究の時間編 第3章 第1の目標 (2)「整理・分析して」。[指針]D5L2(実データに対する分析)と I3L2(主観と客観を区分して受け取る・伝える)。指針が言う「興味の持てる実データの実習」が、ここでは自分の探究のデータになる。評価規準は 単元設計のページ。手法の選び方と結果の読み方で詰まった生徒には 情報学探究マニュアル の第6節「easyStat で分析する」を開かせる。問いの型と分析の対応表が載っている。
前にやった回 ここで思い出させる。もう一度教えない
忘れていたら、戻れる道具の枚
情報を履修していない生徒がいる場合 上の「生徒が聞いた言葉」を 1 行ずつ読み上げるだけで足りる。中身をもう一度教える必要はない。
前回、実際に集めた。計画とずれた所も、そのまま記録した。そのずれが、今日いちばん効いてくる。12 件しか集まらなかったなら、12 件のことしか言えない
今日の順番は、確かめたいことが先。道具はそのあと
前回のふりかえり「計画と違ったところ」の投影から 3 件読み上げてから始める。違った所がそのまま今日の「言えないこと」になると先に言っておくと、節2 の線引きが早い。
道具より先に決める
言えること/言えないこと
第2回からのカードに足す
道具を先に開くと、触って終わる

上に一つだけ確かめたいことを書く。二つ書きたくなったら、今日やる方を選ぶ。下には、そのために表のどの列を見るかを書いて送る
全員の確かめたいことが右に並ぶ。二つ以上入っているものと、見る数が決まっていないものを取り上げる
進め方(10分) 5 分で書いて送る。残り 5 分で投影を開き、3 件を全員で直す。直す所は二つだけ。確かめたいことが二つ以上入っているのと、表のどの列を見るかが決まっていないのと。
問いの型と、見る数の対応 「A と B に差があるか」= 二つのグループに分けて、同じ列の値を比べる / 「二つの量に関係があるか」= 二つの数の列を並べる / 「割合が偏っているか」= 数えた件数の表 / 「これから何が起きるか」「どのグループに入るか」= 当てたい列と、手がかりにする列。第8回で選んだ道具と、ここがそろっているかを見る。
表になっていない生徒 聞き取りや観察の生徒は、この 10 分で数えられる形に直す。同じことを言った人数を数える、当てはまる場面の回数を数える。数にできない言葉は、そのまま引用として残し、第12回・第13回で使う。
目標 01 はこの枚で見る。[指針]D5L2 の入口。
| 何を確かめたいか | 一文、一つだけ。二つ確かめたいなら、二回に分ける。まとめて出した数は、どちらの答えにもならない |
| どの数を見るか | 表のどの列か。列に名前が付いていなければ、先に付ける。1 行 1 件にそろっているかも見る |
| どうなれば言えたことにするか | 先に決めておく。「差が出たら」ではなく「何がどれだけ違えば」。あとから決めると、出た数に合わせて基準が動く |
三つ目を先に決めておくと、都合のよい読み方ができなくなる。それが客観ということ
※ 表を整える所と、人が決める所の分け方は、情報Ⅱ (3) 第4回「機械が直せる所と、人が決める所」でやった
3 分。三つ目は難しいので、例を一つ口頭で出す。「1 学年で 5 人以上違えば、偏っていると言うことにする」のように、数で言わせる。[指針]I3L2 の主観と客観の区分は、ここが入口になる。
答えになるのは、その数から言えることの方

4 つの道具を触ったうえで、自分の問いに使う道具を 1 つ選び、選んだ理由を書く
進め方 道具で比べさせてから選ばせる。同じものを選んでも理由が違うことを見せる。少数派の理由を必ず 1 つ読み上げる。
12分。全部を触らせない。自分の問いの型に合う 1 つを決めさせ、残りは名前だけ。easyStat の「分析サポーター」を先に見せると、手法名を知らなくても選べる。easyStat・easyDataScience とも計算はブラウザの中で行い、読み込んだ表を分析用のサーバへ送らない。生成 AI の解釈支援は別の機能で、押さなければ外へは出ない。班で型がばらけるように机を組む。
道具は外で公開されている Web アプリ。この授業のページの中で開くので、別のページへは移らない。閉じれば、そのままこの枚に戻る。ブラウザの中で動き、入力はこの授業のサーバーには送られない。
カードは4 欄で回る。リサーチクエスチョンと問いの型は前に書いたものが入っている(第5〜7回で書いた変数・確かめ方・見積もりの欄は 探究ノート に残る)。今日は分析の結果と言えないことを足して出す。思っていたのと違う数が出た人は、そのまま書く。違った所がいちばん値打ちのある材料になる
出したあと、右のカードを 3 枚以上読み、それぞれに 1 つ押す。自分のカードには押せない
第2回からの版と今日の版が並ぶ。二つを見比べて、問いがどう具体になったかを本人に言わせる
進め方(13分) 9 分で四つの欄を書いて出す。残り 4 分で、投影から 2 人を選び、第2回の版と今日の版を並べて見せる。「言えないこと」の欄が空のままの生徒がいれば、必ずその場で書かせる。
「言えないこと」の型 原因までは言えない(関係があることと、どちらが原因かは別) / この人たちの分だけ(同じ部活の 12 人なら、その 12 人のこと) / 数が少ない(たまたまでも起きる差か) / 時期が偏っている(この一週間のことだけか)。四つのどれかに当てはまることが多い。
思っていたのと違う数が出た生徒を必ず一人取り上げ、肯定的に扱う。ここで「都合のよい所だけ使う」ことを覚えさせない。第11回で人に見られると、そこを突かれる。
目標 02・03 はこの枚で見る。[指針]I3L2。投影画面を当日中に保存する。
| 言えること | 集めた範囲の中で、数が示していること。「12 人の中では」「この一週間では」と範囲を付けて言う |
| 言えないこと | 集めていない所のこと。原因の向き、集めていない人たちのこと、別の時期のこと。言えないと書くのは負けではない |
| どちらでもないもの | 自分の意見・感想。数から出たことと分けて書く。混ぜると、数の方まで信用されなくなる |
範囲をはっきりさせると、範囲の中の主張はかえって強くなる。第11回で人に見せたとき、ここを書いてある人が残る
※ この線の引き方は、情報Ⅰ (4) 第10回「一緒に動いていても、動かしているとは限らない」と、情報Ⅱ (3) 第6回「言えることの外側に、線を引く」でやった
3 分。三行目(意見と結果を分ける)が [指針]I3L2 の中心。情報Ⅰ の統計の回と情報Ⅱ のデータの回で扱った「関係と原因は違う」「標本の大きさ」を、ここで自分のデータに結び直す。
※ 次回は「中間発表」。いまの版をそのまま人に見せ、整合性・効果性・鋭角性・広角性の 4 つで印を返し合う。直してから出さない
次回はできあがる前に見せる回だと、ここで予告しておく。直してから出す必要はない。数が一つも出なかった生徒にも、聞き取った言葉や観察したことがあれば次回は見せられると伝える。次回は①課題の設定に戻ってよい回でもあることを、先に言っておくと動きやすい。
3 つの目標それぞれに、できた/だいたい/まだ、を 1 つ選ぶ。右の帯にクラス全体の分布が出る
目標 02 に「まだ」が多い場合、表の形がそろっていないことがほとんど。次回の冒頭 5 分を、列に名前を付けて 1 行 1 件にそろえる時間に当てる。
「〇〇だと思っていたが、△△だった」の形で一文。思ったとおりだった人は、それを支えた数を書く
4 分。ここに書かれたことが、第11回でいちばん人を引きつける中身になる。投影を保存し、次回の冒頭で 3 件読み上げる。